5. 世界市場
5.1 種類別
OCT市場はFD-OCT(フーリエ領域OCT)によってけん引されてきた。2013年の時点でFD-OCTの市場規模は6億2820米ドル,OCT市場の86.9%を占めていた。
同時点の種類別シェアは,2位TD-OCT(時間領域OCT)が6.4%,3位FF-OCT(フルフィールドOCT),4位その他OCT(OD-OCTを含む)が4.2%,PS-OCT(偏光OCT)が2.5%となっている。
2019年時点のOCT市場は11億6440万米ドルに成長するだろう。そのうち,10億690万米ドルがFD-OCTによるものと予測されている。
同時点のOCT種類別の市場シェアは,FD-OCT86.5%,TD-OCT6.1%,その他5%,PS-OCT2.5%と,2013年からそれほど変わらないだろう。
予測期間における複合年間成長率はOCT全体市場で7.9%と予測されており,今後も急速に市場が拡大すると見込まれている。また,市場規模は大きくないものの,OD-OCTを含むその他OCT市場の成長率が11.2%と最も高くなっている。
5.2 地域別
2013年の時点では,北米が2億6810万と全世界市場の37.1%と最大の市場であった。これに続く欧州のシェアは33.2%,北米,欧州以外の新興市場は29.7%となっていた。
予測期間中,最も成長が期待されるのは,北米,欧州以外の市場で,複合年間成長率12.5%で推移すると予測されている。
その結果,2019年には北米が35.6%,欧州33.9%,その他30.5%と新興市場のシェアが増加し,地域間の差が小さくなると思われる。
6. おわりに
医療分野,あるいはそれ以外の分野におけるOCTの応用は今後ますます広がると目されている。
医療分野では,高齢化人口の増加に伴い,人体に負担の少ない非侵襲性の検査に対する需要が高まるだろう。
また,国土交通省のインフラ長寿化計画にもある通り,様々なインフラに対する非破壊検査技術の活用が検討されている。3Dイメージングも含めて,ここにもOCTのビジネスチャンスが存在することは間違いない。医療応用と比較して付加価値は高くないものの,大量採用の可能性があるため魅力的な市場である。
株式会社グローバルインフォメーション
マーケティング部 部長
(月刊OPTRONICS 2016年8月号掲載)
このレポートは,㈱グローバルインフォメーションが扱う各国の市場調査会社の報告書をもとに執筆したものです。豊富な資料を揃えていますので,より詳細なデータや関連データだけでなく,その他にもお探しのデータがある場合,同社までお問い合わせください。
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