多摩川精機,映像データ伝送用光デバイスを発売

多摩川精機は,映像用カメラ等の360度連続回転を可能にする,映像データ伝送用光デバイスである「i-FORJ」(インテグレーテッド光ファイバーロータリージョイント)の発売を開始したと発表した(ニュースリリース)。

この製品は,光ファイバーのロータリージョイントと電線用のスリップリングを組み合わせたもので,例えばカメラで撮った映像データを送信するための光ファイバーと,電気配線(電源供給やカメラ制御用信号の線)が,カメラが360度の連続回転をしたとしても,線が絡まることなく映像データを供給することを可能にするための配線装置となっている。

光ファイバーロータリージョイント部には,光の軸のブレを抑制する「セルフアラインメントメカニズム(自動調心機能)」という独自の構造を採用し,映像データ(光信号データ)の劣化を防ぐという。

この製品は,ビデオカメラ用での開発を起点とし,防衛・航空用途に向け小型化を達成した。米軍規格のMIL-STD-810に準拠し,耐衝撃性及び耐振動性に優れ,電磁干渉対策にも有効だとしている。

その他,監視カメラ,船舶のコンテナクレーン用カメラ,産業用ロボット,遠隔操作医療用ロボット,および各種測定器等への用途を想定しているという。特に自然災害の発生時において,河川,海岸,火山,道路等の状況・状態の把握は,その後の対策を検討する上で重要となっている。

同社は,同製品を搭載した監視カメラから配信される360度の高精細な映像データは,自然災害が発生した際に,監視サイドにおける迅速な状況判断に貢献できると期待されるとしている。

■製品仕様は以下の通り。

FORJ部スリップリング部
波長:850nm / 1,300nm本数:4本
対応モード:マルチモード電圧:DC24V以下
コア径 / クラッド:φ50μm / φ125μm電流:2A×2本,1A×2本
挿入損失:1.5dB 以下 (参考値),3.0dB 以下 (保証値)耐電圧:500V
動作温度:-45~+85℃ノイズ:1Ω以下
耐環境条件:MIL-STD-810準拠許容回転数:600min-1
質量:約10g(光ファイバー,コネクタ含む)質量:約85g(ケーブル含む)
寿命:1,000,000回転 @600min-1寿命:1,000,000回転 @600min-1
オプション:シングルモード対応(モード変換アダプタを使用)
FORJ単体でも販売可能

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