富士フイルム,レーザ光源内視鏡システムに上部消化管用経鼻内視鏡を追加

富士フイルムは,内視鏡のシステムにレーザ光源を用いた内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」用内視鏡の新ラインアップとして,鼻からの挿入が可能な先端部径5.8mmの極細径の上部消化管用経鼻内視鏡「EG-L580NW」を,10月23日より富士フイルムメディカルを通じて発売する(ニュースリリース)。

「LASEREO」は,波長の異なる「白色光観察用レーザ(白色光用レーザ)」と「狭帯域光観察用レーザ」の2種類のレーザを搭載している。白色光用レーザを蛍光体に照射することで,通常の観察に適したスペクトル幅の広い白色光を発光させ,自然な色の画像をモニタ上に再現することができる。

また,「狭帯域光観察用レーザ」は,粘膜表層の微細血管やわずかな粘膜の凹凸などのコントラストを強調して画像をシャープに映し出すことができ,微小な病変を観察するのに適している。

今回発売する「EG-L580NW」は,このような観察が可能な上部消化管用経鼻内視鏡。鼻から内視鏡を挿入することで,咽頭反射による嘔吐感を軽減することができる。また,内視鏡先端から照射される照明光のバランスを見直し,画面周縁部までより明るい画像をにより,視認性を向上させた。

さらに,赤色領域のわずかな色の違いを画像処理で見やすく表示する「LASEREO」用の特殊光色彩強調機能「LCI(Linked Color Imaging)」を利用することができる。「LCI」は,粘膜色付近の彩度差・色相差を拡張する画像処理を行なうことで,粘膜のわずかな色の違いを強調して表示し,炎症の診断をサポートする。

さらに,先端部径5.8mmでありながら鉗子口径を2.4mmと広くしたことで,体液などの吸引性能の向上を実現した。また送気・送水管路構造の見直しにより内視鏡先端のレンズに付着した水滴が残りにくくなり,検査時の医師のストレス軽減や検査時間の短縮が期待されるとしている。

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