田中貴金属工業は,UVによる硬化のみで,加熱硬化せずに電子回路配線を形成することができる導電性銀ペーストで,スクリーン印刷に対応する製品「UV700-SR1J」を開発した。
開発した製品は,スクリーン印刷技術を用い,銀ペーストで基材に回路を印刷した後,UVを約10秒程度照射することで,室温状態でも瞬時に印刷膜を硬化して回路を形成でき,導通させることができるというもの。
従来,スクリーン印刷で適用されている線幅より微細な70μm(膜厚10μm以上)を実現し,表面処理されたPETフィルム上で,電気抵抗率は10-4Ωcmと,これまでフレキソ印刷用に用いられてきたUV硬化銀インクや熱硬化銀ペーストと変らない導電性を実現した。
線幅70μmでの導電性を実現したことにより,タッチパネル製造における製品の透過度を工場させることができる。また,熱硬化処理を使わないため,熱に弱い様々なフィルム基材に配線を形成することができ,フレキシブル性の高いウェアラブルデバイスのアンテナや,服薬管理用の電子パッケージ,色素増感型太陽電池製品などの実用化への応用が期待されている。