シャープ,自由なデザインを可能にする「フリーフォームディスプレイ」を開発

シャープは,多様なアプリケーションに応じて新しいディスプレイのデザインを提案できる「フリーフォームディスプレイ」を開発した(ニュースリリース)。

液晶ディスプレイは,高輝度や広視野角,高精細化や高色純度などの表示性能に加え,耐環境性能やタッチパネルによるユーザインタフェース技術などの付加価値を追求し,様々なアプリケーションに普及拡大に貢献してきた。昨今のアプリケーションにおいては,さらに高いデザイン性も求められており,同社でも液晶ディスプレイの薄型化や軽量化,狭額縁化などをセットメーカなどに提案してきた。

こうした要求に対し,同社はIGZO技術の応用と独自の回路設計手法の確立により,ユーザからの様々な形状ニーズに対応できる「フリーフォームディスプレイ」を開発した。従来のディスプレイは,表示領域の外周部に,ゲートドライバと呼ばれる駆動用回路を配置する一定の額縁幅が必要なため,四角形状が一般的だった。

開発したディスプレイは,このゲートドライバを表示領域内にある画素内に分散して配置することで額縁を極めて細くすることで,表示領域にあわせた自由な形状のディスプレイを設計することが可能になった。

これにより,車載用途であれば,スピードメータとその他のモニタを1つのディスプレイに組み合わせたインパネが実現できる。また,円形ディスプレイを搭載したウェアラブル機器や浮遊感のある新しい映像体験を実現する大型モニタ・デジタルサイネージなど,デザイン性の高いアプリケーションの創出にも貢献する。

同社は今後,この「フリーフォームディスプレイ」の早期量産化に取り組んでいくとしている。