NHKは,スーパーハイビジョン(SHV)動画用として,最多の画素数となる1億3,300万画素のCMOS撮像素子を世界に先駆けて開発した(プレスリリース)。15,360×8,640画素をベイヤー配列したもので,60fpsでの撮影が可能。
高画質なSHV映像を撮影するためには,赤(R),青(B),緑(G)の各色とも3,300万画素の情報が必要となる。これまでは,各色に3,300万画素の撮像素子を1枚ずつ,合計3枚用いていたが,光を3色に分けるプリズムが必要となるため、カメラの小型化が課題となっていた。
プリズムを使わずにカメラの小型化を図る技術として,1枚の撮像素子で3色の情報を取得する「単板カラー撮像方式」があるが,これまでの3,300万画素の撮像素子では,1画素で1色の情報であることから情報量が3分の1となり,撮像素子を3枚用いた方式と同等の画質を得ることが困難だった。
今回開発した撮像素子は,従来の4倍の1億3,300万画素で構成されているため,1枚の撮像素子でR,B,Gの各色とも3,300万画素以上の情報を取得できる。これにより,カメラの小型化とともに,従来の単板カラー撮像方式では困難であった高画質化も実現できるようになった。さらに,市販のデジタルカメラと同じ単板カラー撮像方式を採用しているため,種類が豊富な写真用レンズを使用できる。
NHKはこの研究成果を,5月29日(木)~6月1日(日)に開催する「技研公開2014」で公開する。