富士フイルムら,「アスタキサンチン」と「亜鉛」の同時摂取が睡眠を改善するメカニズムを解明

富士フイルムは,高い抗酸化力を有することで知られる成分「アスタキサンチン」と「亜鉛」の摂取による睡眠改善効果のメカニズムについて,神奈川科学技術アカデミーおよび東京大学と,マウスを使って共同研究を行なった。その結果,両成分を同時に摂取することにより,睡眠を司る視床下部の変動遺伝子数が増加することを明らかにした(プレスリリース)。

同社は,これまで抗酸化作用をはじめ,眼精疲労の回復や,肌の保湿力の向上に関わる作用があるとされる「アスタキサンチン」と,活性酸素除去酵素などの構成成分である「亜鉛」を同時に摂取することで,高い睡眠改善効果が得られることをマウス実験で確認している。しかし,睡眠が改善されるメカニズムが不明だった。

今回の研究では,「アスタキサンチン」と「亜鉛」を同時に摂取することにより,脳内の視床下部における変動遺伝子数が増加することを確認した。睡眠中枢と覚醒中枢が存在する視床下部は,さまざまな生体情報に基づき睡眠と覚醒を調節するなど,睡眠を司るといわれている。

「アスタキサンチン」と「亜鉛」の同時摂取により,前回の研究では高い睡眠改善効果が見られ,今回の研究では,視床下部の変動遺伝子数の増加を新たに確認できた。これらの結果から,「アスタキサンチン」「亜鉛」の同時摂取による睡眠改善効果と,視床下部の変動遺伝子の増加には関連があり,睡眠に関連する活動が行なわれているのではないかと推察した。

同社は今後,アスタキサンチンと亜鉛による睡眠改善メカニズムのさらなる解明とともに,各成分の健康増進機能の解明と新たな応用を進めていく。