JAMSTEC、ベクトル津波計によるリアルタイム海底津波監視システムの試験観測に成功

海洋研究開発機構(JAMSTEC)では、海洋ダイナモ効果を利用した新しい海底電磁場観測装置(ベクトル津波計)による津波観測の有効性を実証することに成功したが、この装置を用いたリアルタイム観測システム構築に向けて、実海域において海底に設置したベクトル津波計から、海面に浮かべた自律型海洋プラットフォームであるウェーブグライダーを介して観測データをリアルタイムに陸上まで伝送する試験観測に成功した。

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今回、試験観測を用いたシステムは、海底に設置したベクトル津波計から海面に浮かべたウェーブグライダーに音響通信によって観測データを伝送し、ウェーブグライダーからは衛星通信によって観測データを陸上まで伝送するシステム。このシステムにより海底の様々な状況(磁場、電場、傾斜、水圧等)を計測し、そのデータを、平常時は1時間毎に、津波が予想される地震の発生時(津波発生時)には毎分伝送する仕様となっている。

なお、今月2日(日本時間)にチリで発生した地震に伴い日本の太平洋岸に到達した津波について、本システムは3日早朝にリアルタイムで津波の伝播過程(波源の方向、速度、波高等)を詳細に捉えることに成功しており、その有用性が確認されている。

詳しくはJAMSTECプレスリリースへ。