富士フイルム,UV光を可視化する測定フィルム「UVスケール」を開発―立体・曲面,狭所で効果を発揮!

富士フイルムは,紫外線(UV)の光量分布を目視で確認できる測定フィルム「UVスケール」を開発した。これは既存の圧力測定フィルム「プレスケール」,熱分布測定フィルム「サーモスケール」に続くもので,UV光を利用する様々な用途への活用が見込まれている。

富士フイルムUVスケール
UVスケール。写真左がシートタイプ,右がロールタイプ

UVスケールは支持体に感光層と白色層を挟み込んだ構造となっている。感光層には独自技術のマイクロカプセルが塗布されており,UV光を照射すると,このマイクロカプセルの中に閉じ込めた発色剤が反応して発色するという仕組み。発色濃度が,受けたUVの光量に対応するため,受光面の光量分布を簡単に調べることができる。

UVの光量を測定するものとしては照度計があるが,測定部の径が概ね2~3mm程度のため,測定できる場所に制限がある。これに対し,UVスケールはシート状のため,必要な形や長さに切り取ることで曲面部分や立体物,狭所部分でも測定できる。

UVスケールはシートタイプ(270mm×200mm)とロールタイプ(270mm×5m)を用意し,測定光量範囲別に「L」,「M」,「H」をラインナップ。このうち,Lは4~60mJ/cm2の低光量に対応。一方,Mは60~700 mJ/cm2,Hは700~6,000 mJ/cm2の中・高光量にそれぞれ対応し,減光フィルムを重ねるツーシートタイプとなっている。対応波長範囲は200~420nm。

実際に活用も進んでおり,UV塗料,UV印刷,UVコーティング,UV硬化樹脂,UV殺菌,UV成型など,様々なUV光量分布の確認用途で仕様されている。例えば,自動車ヘッドランプのUVコーティングでは曲面部に効果を発揮。また液晶パネル用フィルムといったRoll to Roll印刷プロセスではロール巻き取り部分への適用が有効なのに加え,これまで測定が難しかった牛乳パックといった食品包装の側面や底面など光量が低下する部分の確認を容易にする。UVスケールではさらにUV照射光源の劣化を判別するのにも有効だ。

同社は,目視では管理基準の定量化が難しい積算光量の分布判別を可能にする「UVスケール解析システム」を開発中。これは発色濃度を積算光量に変換してその分布を数値化するもので,UVスケールと組み合わせることで,より高精度な測定が可能になる。これらの新製品は4月23日~25日,パシフィコ横浜で開催される「OPTICS & PHOTONICS International Exhibition2014」に出展する。

本製品の詳細は富士フイルム産業機材事業部