北大、幼少期の光で遺伝性概日リズム障害を克服できることを発見

北海道大学大学院医学研究科客員教授の本間研一氏は、脳が環境因子の影響を受けて発達するメカニズムに注目し、光環境が遺伝性概日リズム障害にどのように作用するかを調べた。

出典:www.plosone.org
出典:www.plosone.org

概日リズムを作り出している時計遺伝子のひとつであるCry(Cryptochrome)を欠損させたマウスを出生直後から離乳後3週間まで連続照明下で飼育した後に恒常暗に移行すると、通常の照明サイクルであれば消失するはずの行動リズムが回復することを発見した。

連続照明による概日リズム障害の抑制は成長後には認められず、幼少期の光が行動を制御する2つの時計のリズムを回復させ、障害を抑制するのに重要であることが明らかとなった。これは、遺伝的要因における睡眠障害が幼少期の環境変化により回復する事を示した結果であり、睡眠・覚醒リズムを含めた概日リズム障害の新たな治療法の開発に結び付くことが期待できる。

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