オムロンは、赤外線センサとしては世界で初めてウェハレベル真空封止技術を活用することにより、90度の広い視野範囲と高精度なエリア温度検知を実現した16×16素子のMEMS非接触温度センサを開発、10月よりサンプル出荷を開始する。これまで人感センサとして広く普及している焦電型センサは、静止した人物の検出ができないため、人数や人物の位置の検出が困難だった。
MEMS非接触温度センサは、対象物から放射される赤外線エネルギーをMEMS技術で製作したサーモパイル部(熱電対列)で熱に変え、2種類の金属接点間の温度差に応じた熱起電力により温度を計測するが、サーモパイル部で変換された熱の多くが空気を通して逃げてしまうため、金属接点間の温度差を大きくできず、熱起電力の発生が小さくなり、感度を向上できなかった。
今回、世界で初めてサーモパイル部をチップ内で真空封止した。真空封止によりサーモパイル部で変換された熱が空気を通して逃げることを阻止することで、金属接点間の温度差が大きくなり、より高感度を実現できた。
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