東大、骨になるか軟骨になるかを運命づけるメカニズムを発見

東京大学大学院医学系研究科特別研究員の北條宏徳氏(現 南カリフォルニア大学BroadCIRMセンター所属)、東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻特任准教授の大庭伸介氏、教授の鄭雄一らは、日立製作所の神原秀記フェローやミシガン大学准教授の三品裕司氏らのグループと共同で、ヘッジホッグとBMPの相互作用が軟骨膜における骨・軟骨前駆細胞の分化運命決定の制御機構に関わることを解明した。

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体の中には複数の細胞に分化することができる前駆細胞が存在する。軟骨組織を覆う軟骨膜には、胎児の骨格が形成される過程において、骨と軟骨の両方に分化できる前駆細胞が存在し、将来の骨形成に寄与すると考えられる。発生学的には、軟骨膜細胞は骨組織の細胞源となるだけでなく、特定の遺伝子が働かなくなると軟骨組織を形成することが知られている。これら軟骨膜細胞の分化決定にはヘッジホッグやBMP(Bone Morphogenetic Protein、骨形成性タンパク質)など、様々な因子により制御されていることはわかっているが、その制御機構は完全には解明されていない。

本研究が、ヘッジホッグやBMP等を利用した骨や軟骨の再生療法を開発する際の足がかりとなることが期待される。

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