ロームとパイオニアの研究グループは,テラヘルツ波の発振・検出に小型半導体素子「共鳴トンネルダイオード」を用いたテラヘルツイメージングに世界で初めて成功した。
光と電波両方の特性を兼ね備えているテラヘルツ波は,物体内部の透過像の取得や分子相互作用の検出が可能だが,室温で安定的かつ直接的にテラヘルツ波を発振・検出できる小型で安価な半導体デバイスがなかったため,システムの小型化と低コスト化が大きな課題となっていた。
これに対し,ロームは、2011年に1つのチップでテラヘルツ波の発振・検出が可能な小型素子である「共鳴トンネルダイオード」の開発に成功している。今回,パイオニアの光学技術・小型化技術を組み合せ,テラヘルツ波を発振・検出可能な「共鳴トンネルダイオード」のイメージング分野への応用可能性を検証した。
具体的には,「共鳴トンネルダイオード」で発生したテラヘルツ波(0.3THz)をリレーレンズを介して集光できる「共鳴トンネルダイオードモジュール」を作製し,集光したテラヘルツ波に対して測定対象物をスキャンさせることで,不透明樹脂ケース内に収納されたクリップやコインなどの透過画像を,X線を使うことなく取得することに成功した。
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