ウシオ電機とオランダ応用科学研究機構(The Netherlands Organization for Applied Scientific Research:TNO)は2月15日,次世代の半導体製造用極端紫外光(EUV)露光技術の開発を目的とした,戦略的パートナーシップの締結を発表した(ニュースリリース)。
ウシオとTNOは,EUVの光学系やレチクルに影響を及ぼす紫外線を研究する目的で,新しい実験的なEUV露光と分析を行なう施設「EBL2」を共同で建設している。この施設は,今後の露光装置の出力ロードマップにおいて予見される,あらゆる極端紫外光の状態下で発生する表面汚染の影響について,理解を深めるためのもの。
この研究施設の建設により,次世代の露光装置,マスク,ペリクルの開発が加速化されるという。ウシオの高輝度SnLDP(レーザアシストプラズマ放電方式)EUV光源は,露光装置の状態と類似した管理された環境下でEUV光を供給する。サンプルの取り扱いと搬送は自動化され,クリーン度はEUV製造にふさわしい最先端半導体製造のクリーン度に匹敵する。
このSnLDP EUV光源はクセノン光源に比べ,およそ5倍から10倍の輝度と出力を達成することが可能だとしてる。したがって,2017年以降の導入が計画されているEUV露光に伴うEUVマスク検査のスループットにも対応することができるという。
EUVマスク技術は,EUV露光の事業化にとって重要であり,マスクブランクス欠陥検査(ABI:Actinic Blank Inspection)やマスクパターン欠陥検査(API:Actinic Pattern Inspection)などのようなEUVマスク検査装置の開発が必要。ウシオでは,検査用光源をマスク検査装置メーカーに提供することで,装置メーカーおよびマスクメーカーのマスク検査プロセスを支援するとしている。