NICTは，テレビ放送帯（470～710MHz）のホワイトスペースでの利用が可能なLTE技術（Release 8）に対応した，利用者が携帯して使用できる実用的な小型軽量型のスマートフォンを開発した。このスマートフォンは，市販のものと同じサイズで同様の機能を持っている。
ホワイトスペースは未だ日本では利用可能でないことから，2枚のSIMカードを挿入する機構とし，NICTが開発したホワイトスペース対応システム（LTE技術を利用）と既存のLTEネットワークに接続するために，これら2枚のSIMカードをソフトウェアで切り替えることで，ホワイトスペース対応システムか，既存のLTEネットワークかをスムーズに選択して利用することを可能にした。
これにより，商用LTEネットワークから通信トラフィックをホワイトスペースにオフロードし，周辺地域における通信速度の向上などが期待できる。このスマートフォンは，従来の携帯電話で使用されているLTE用処理回路をそのまま使用し，これにテレビ放送帯に対応した無線回路を接続するという構成にすることで，端末の小型化と省電力化を実現した。
スマートフォンやタブレット端末の爆発的な普及や動画視聴などの大容量通信の需要の高まりにより，利用者の通信需要を満たすための移動通信用の周波数不足が深刻化している。その解決方法の一つとして，ホワイトスペースを活用する技術が検討されている。NICTでは、このホワイトスペースにおいてLTE技術を活用した基地局及びPC接続の通信端末アダプタから構成されるホワイトスペース対応システムを世界に先駆け開発してきている。
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