月刊OPTRONICS 特集序文公開

メタマテリアルが可能にする光デバイス開発

1.はじめに

メタマテリアルに関する論文やコニュニティの数は,2000年以降急速に増加した。2000年といえば,D. R.SmithがGHz 帯で負の屈折率を実証した年である。理論的に予言されていた負の屈折率が実証され,透明マントの実現性が真実味を増し,メタマテリアルは多くの研究者を魅了する新学術領域として急速に立ち上がった。メタマテリアルによるユニークな光学特性を実証する上で,モノづくりは欠かせない。メタマテリアルの発展を律速する一因子は微細加工技術であると言える。米国が「国家ナノテクノロジー戦略(National NanotechnologyInitiative)」を発表したのも2000年であり,微細加工技術が大きく発展・波及し,メタマテリアルの研究開発にも影響を与えたと考えている。

近年,メタマテリアルの実用化が世界的に進んでおり,その市場は成長産業となっている。産と学は互いの発展の両輪であり,産学共創が,メタマテリアルの学術基盤構築や世界市場で勝てる国際競争力の高いイノベーティブなプロダクト創出を実現する鍵となる。

著者の研究グループでは,メタマテリアルを用いた革新的光制御・センサデバイスの実現とその社会実装を目指している。微細加工を駆使したメタマテリアルの製造技術,微小電気機械システム(MEMS)により変形して光学特性の変わる可変メタマテリアル,メタマテリアル応用デバイスの研究開発に注力している。本稿では,当研究グループで開発してきたデバイスの概要と特徴について解説する。

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