スウェーデンのSol Voltaics ABは,薄膜におけるナノワイヤのアライメントと配向性成功を確認したと発表した(ニュースリリース)。この成果は,変化効率27%を超える太陽電池モジュールに道を開き,現在の太陽モジュールのエネルギー変換効率を50%押し上げるものだとしている。
太陽エネルギー世代において非常に有望な特性を示すナノワイヤは,高いアスペクト比と材料特性により整列が非常に難しい。標準サイズウエハーでナノワイヤの方向性とアライメントをセンチメートルスケールでコントロールすることにより,同社はタンデムソーラPVモジュール向けのソーラフィルム商用生産に目処を付けた。
GaAsナノワイヤは,太陽モジュールの効率を改善する有望技術として最近最前線に登場してきた技術。今回,薄膜内でナノワイヤを整列させることに成功した。この技術により太陽パネルメーカーは,製品のエネルギー生成能力を大幅に高めることができるとしている。
更に,同社は新規株式投資ラウンドで1700万ドルの資金調達に成功した(ニュースリリース)。これによって同社は,ナノワイヤー太陽光フィルムのタンデム層技術の商用化を加速に向けた投資を進めることができる。
ナノワイヤ整列という革新技術に加えて同社は,スウェーデンのルンド大学発の特許取得済みプロセスを獲得しており,これらがコスト効率に優れたプロセスでの,ナノワイヤ太陽電池およびフィルムを製造の基礎になるとしている。
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