月刊OPTRONICS 特集序文公開

カメラ・LiDAR・ミリ波レーダーによる走行環境認識技術

1.はじめに
近年ドライバー不足や地方の公共交通破綻などの社会課題を解決する手段として自動運転が期待されている。その実現には,複雑な交通環境の理解が不可欠で大きな課題である。環境認識のための主な車載センサーには,カメラ,LiDAR(Light Detection And Ranging),ミリ波レーダーがあるが,表1に示す様に利用する電磁波の波長によってそれぞれ得失があり,悪天候や悪照明条件を含む多様な屋外走行環境にて高精度に認識するには,どのセンサーも不可欠である。これらを用いた乗用車の自動運転システムの構成例を図1に示す。一般自動車には意匠が重要であり,この様な搭載配置に限定される。

本稿では,各センサーを用いた認識技術の代表的な最新技術を紹介する。近年のAIブームは走行環境認識にも及び,ディープラーニングの利用が標準となっており,本稿でもこれを中心に解説する。

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