近年見かけることの多いデジタルサイネージ市場も伸長が期待される一つ。今後,デジタルサイネージ端末の設置と広告代理業を行なう業者管理業者が出現するなど市場は本格化し,2018年度には1,600億円規模となる(システム導入費用以外に,コンテンツ制作・運用等を含む)。その内容は,店外に看板として設置する「広告」,店内地図やサービスの案内を行なう「接客」,商品の隣にPOPのようにディスプレイを置いてCMを流す「販売促進」に分けられ,「接客」が最も大きな割合となる。この市場も位置情報を用いた広告配信といった,スマートフォンと連動する機能が注目されている。
既存のコンシューマ向けデバイス市場を侵食するスマートフォンだが,新たな市場を生み出す可能性もある。調査では,腕時計,ヘルスケアから新たにウェアラブル端末市場が離陸するとしている。ウェアラブル端末とは,カシオG-SHOCKの一部の機種やサムスン,ソニーのスマートウォッチ,グーグルなどか開発する眼鏡型デバイスなど,スマートフォンと連動して機能する,身体に付けるデバイスのこと。弊社動画サイトOPTO.TVで紹介したオムロンのLEDデバイスによる脈波計も,この応用を見据えた例だろう。このウェアラブル端末市場は,2018年には475万台規模になるとしている。
同社はこのウェアラブル端末市場について,携帯電話端末が10,000円×10億台のビジネスだったのに対し,1,000円×100億台のビジネスになると予想する。つまり,アイデア次第で安価なデバイスがヒットする可能性があるが,一方で開発に時間と金を賭ける日本の従来型ビジネスモデルでは,収益が上がらなくなる可能性も高い。よってプレイヤーの主役も,大企業からベンチャーへと変わる可能性がある。