世界のあらゆる市場にホロライトの光を

グローバル企業として上場を目指す

―来年(2026年)には創業20周年を迎えます

実は,ホロライトは私が起業して1年後に実用化しました。この光に可能性を感じ,「絶対に売れる」と信じて,がむしゃらに展示会へ出展し,活用方法を探し続けました。現在の安全事業は,2014年にあるユーザーから問い合わせがあり,初めて採用されたのがきっかけです。その後3年が経ち,安全分野での活用の可能性が見えてきましたが,ビジネスとして本格的に飛躍するまでには,結局10年を要しました。

2019年頃までは,私一人で営業を担当していましたが,営業チームを立ち上げ,新たな成長に向けた体制を整備しました。2023年からは上場準備を進め,2026年には上場申請が可能なステージまで到達しています。

―上場の目的は?

浜松のスタートアップ企業という立場から,海外売上比率を高め,グローバル企業を目指します。浜松には,浜松ホトニクス,スズキ,ヤマハ発動機など,世界的に知られるメーカーが数多くあります。そうした企業に続く存在となるべく,私たちも製造業として,グローバルなものづくり企業を目指しています。その実現に向けた一つのステップとして,株式上場があると考えています。

現在は,ものづくり企業として着実に成長することを最優先に考え,まずは名証への上場を目指し,一般投資家の支持を得ることを目標としています。東証上場はその次のステップと捉えており,その際には成長戦略としてのグローバル化が重要になると考えています。現在は,その実現に向けた準備を進めている段階です。

経済産業省と日本貿易振興協会(ジェトロ)が主催する起業家育成・海外派遣プログラム「J-StarXシリコンバレー派遣(始動)コース」の1人に選ばれたと聞きました

このプログラムは2015年にスタートしました。安倍晋三元首相がシリコンバレーを訪れ,日本との架け橋としてイノベーターを育成するというニュースを見て,「こんな取り組みがあるのか」と関心を持ち,2015年の募集に応募しました。

しかし,当時は国内プログラムのみの参加となり,シリコンバレー派遣には選ばれませんでした。そして今年,プログラムは10期目を迎え,ついにシリコンバレー派遣者として選抜されました。今回のプログラムは「成長し,飛躍する」というステージにあり,グローバル市場の開拓が成長戦略の中心となっています。

その点で,私がこれまで実践してきたことと方向性が一致していると感じています。国の支援を受けられるのは大きなチャンスであり,ジェトロから海外展示会への出展支援も受けられます。また,今回のプログラムを通じて,さらなる支援が得られるのではないかと期待しています。

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