明電舎,フレキシブルデバイス向け常温成膜技術を開発

明電舎は,世界で初めて,純度100%のオゾン(以下,ピュアオゾン)を使用した常温成膜技術を確立した(ニュースリリース)。

同社はフレキシブル有機ELディスプレー分野,PE(プリンテッドエレクトロニクス)分野,フレキシブルエレクトロニクス分野等に使われる高機能フィルムの市場拡大を見込んでおり,この製品を開発した。

特にフレキシブル有機ELディスプレー分野の高機能フィルムは,現在,プラズマ技術を活用し100~150℃で製造されているが,この技術では常温30℃で樹脂フィルム上に成膜するため「ダメージレス」で「薄く緻密」な「傷のつきにくい」「曲がる」「バリア性に優れた」ディスプレー用フィルムの多くに適用できる可能性があるという。

さらにフィルム間の密着性向上のための膜質改良や,半導体製造工程で発生する有機物を除去することにも適用できるため,製造工程自体の短縮化も期待できる。

この技術を支えるのが,2007年から発売を開始した,ピュアオゾンガス発生装置である同社製品のピュアオゾンジェネレータ。現在は主に半導体製造装置メーカー向けに出荷している装置で,毒性,爆発性のあるオゾンガスを安全に安定供給できる。

同社は,高品質なバリアフィルムの技術確立と各種製造装置メーカーなどとパートナーシップを組み,この技術を提供すると同時に製造工程で必要になるピュアオゾンジェネレータの拡販(目標年間30台)をしていく。また,今後はピュアオゾンの利用技術研究を,開発を共同で行なってきた産業技術総合研究所と進め,ハイバリアフィルムを目指すとしている。

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