パナソニック,車載用 「静電容量方式 曲面タッチパネル」を量産化

パナソニックは,車室内のコックピットのデザイン性,パネルの操作性を向上する,カーナビやディスプレイオーディオなどの表示画面に適した「静電容量方式 曲面タッチパネル」を量産する(ニュースリリース)。

スマートフォン,タブレットなどのモバイル端末には,軽快な操作性を実現する静電容量方式のタッチパネル(以下 静電タッチパネル)が搭載され普及している中,カーナビやディスプレイオーディオにも同様の操作性が求められ,静電タッチパネルの採用が進みつつある。

また,自動車のコックピットのデザイン性が重視されつつあり,センターコンソールやインストルメントパネルにフィットする曲面タッチパネルが要望されている。さらに,タッチパネル単体ではなく,カバーパネル付きのタッチパネルとしての供給が求められている。これに対し同社では,車のコックピットのデザイン性と操作性向上に貢献する車載用「静電容量方式 曲面タッチパネル」を量産する。

この製品は,プラスチック樹脂製カバーパネルを高精度に形成できる「射出圧縮成形技術」と「ヒート&クール成形プロセス技術」の開発により,従来のガラス製カバーパネルでは難しい曲面デザインや穴あき成形を実現している。これにより,センターコンソール,インストルメントパネルなどにフィットする曲面タッチパネルを提供する。要望に合わせて,表示画面の周辺に入力スイッチやボリューム類を容易に実装できるよう,予め穴あき加工を施した樹脂製カバーパネル付きの提供も可能。

一般にプラスチック樹脂製カバーレンズは曲面加工に有利な反面,感度が低下するという課題があった。この課題を解決するために,同社では独自の電極パターン設計とセンシング制御技術の融合で,高感度フィルムセンサを開発,プラスチック樹脂製カバーパネルながら高感度のタッチパネルの量産化に成功した。手袋での操作やマルチタッチ対応が可能で操作性向上に貢献する。またミューチュアルタイプの制御ICと合わせることでジェスチャ機能の搭載も可能。

さらに,耐湿,高温,熱衝撃特性などの高い信頼性を確保しつつ,樹脂製カバーパネルと高感度フィルムセンサを積層できる独自の真空貼り合わせ工法技術を開発。フィルムセンサの上下電極間,およびカバーパネルとセンサ間は,OCAを用いた気泡レスの貼り合わせにより,高透過,低反射による高い視認性を実現している。

また防眩,反射防止,防汚などのコーティング処理を合わせることで,防眩性(映り込み防止),低反射,およびタッチ面への指紋付着防止が図れる。高い視認性の実現により,外光の影響を受けやすい車載向けに適した曲面タッチパネルを実現した。