国内の半導体製造設備投資は希薄,それでも・・・

現在,半導体製造設備の投資先は北米,韓国,台湾が中心となっている。特に台湾は最大の投資先で,設備メーカにとっては魅力的な市場だ。SEMIがこのほど発表した2013年の半導体製造装置販売額によれば,前出の3地域の中で増加したのは台湾のみで,前年実績の95億ドルから102億ドルになると予測されている。

かつては隆盛を誇っていた日本市場は縮小を余儀なくされ,最近でも工場閉鎖や売却といった報道が続いている。日本の販売額はスマートフォン向け電子デバイス需要増に伴うものと推測されるが,2011年に58億ドルの販売額があった。しかし,2012,13年には32億円とガクッと減少。2014年は40億円,15年は42億円と増加に転じると見られているものの,主要3地域との差は大きい。

ただ,日本の半導体製造装置や材料に目を向けると,その信頼性の高さは世界市場で強みを発揮している。先端露光装置で言えばオランダのASMLがシェアを拡大させているが,ニコンやキヤノン,それにMEMSやLEDなどの露光機を展開するウシオ電機やサーマルプレジションなど,日本の参入メーカは多く,全体的な占有率は高い。

後工程のダイシング装置でもディスコや東京精密の市場占有率は高い。特にディスコはLED基板向けのレーザダイシング装置市場では90%の市場占有率があるとされている。

こうした先端装置を支える光学系の技術も日本企業が突出していて,さらに対応できる企業も限られている。投資先としては小さいかもしれない。しかし,日本発の高度な装置が世界市場で選択され,稼動しているのは見逃せない。