表現手段としてのレーザー光とは─アーティストが語るその魅力

◆田中敬一(タナカ ケイイチ)
光・環境造形作家 レーザー・アーティスト
桜美林大学芸術文化学群ビジュアル・アーツ専修 教授

1977年 北海道教育大学卒
2014年 空間デザイン大賞2014ゴールドアワード
2016年 フィレンツェ マルチメディア フェスティバル入選招待公演
2017年 New York City Electoro Acoustic Music Festival入選招待公演
レーザー光をはじめとする様々な光源を使った空間デザインを手掛け,環境の中の光が持つ人々へ働きかける感性分野での役割の先鋭化をめざす。発表のステージは海外十数か国におよび,アートシーンでの活動にとどまらず,公共建築空間,都市計画,教育など多岐にわたる。特に大学教育と都市機能とをリンクさせたデザインプロジェクトは,他に類例のない大規模建設現場,空港や船舶,航空機,最新鉄道車両を教育活動の場とし,東京2020文化オリンピアード参画プログラムの対象となるなど,メディアが注目するユニークな内容となっている。
k-one space https://k-onespace.com/

レーザーには加工や通信をはじめとして様々な応用があるが,他とは少々趣を異にするものにレーザーアートがある。自然界に存在しないレーザー光は,それまでの照明とは全く異なる印象を見る者に与える。絹糸のように絞り込まれた光線を目にしたとき,人々がそこにアートへの可能性を見出したのはごく自然の成り行きだろう。

レーザーアートの登場は意外と早く,わが国でもレーザー発振から10年後の1970年には,日本万国博覧会で画家の宇佐美圭司氏による作品が披露されている。現在でこそ舞台やステージの演出としてのレーザーは珍しくなくなったが,そこには機材の進歩も大きな役割を果たしてきた。

今回はレーザーアートの第一人者である,桜美林大学教授の田中敬一氏に,使用する機材や自身の作品についてお話を聞かせて頂いた。アートらしからぬ技術的な苦労も交えたそのエピソードを,是非ご一読頂きたい。

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