結像と光学系(Ⅲ)

5. 主平面と主点

5.1 レンズの中心

前節において,「焦点距離は,レンズの中心から焦点までの距離である。」と述べたが,「レンズの中心」と言った場合,例えば,片面が平面であるようなレンズでは,それがどこにあるのか考えてしまう。

凸レンズの焦点から出た光は,そのレンズによって平行光になる。そこで,焦点の位置にある点光源から出た,いろいろな角度の光線と,反対の像側からくる光軸に平行な光線を考えると,それらが交わった部分が,レンズの中心であると考えることができる。

5.2 主平面

図3.18 物側主点
図3.18 物側主点

焦点から出た光と,反対側からくる光軸に平行な光線の交点を考えると,それらの集合は平面になる。その平面を主平面と呼ぶ。

図3.18に示すように,物側焦点を基準にし,像側から伝搬する平行光との交点を考える。この時にできる主平面と光軸の交点を主点と呼び,レンズの中心と考えることができる。

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