「どっちか」より「どっちも」

(社会科学は自然科学より難しい)

大学で心理学を専攻し,アンケートによる意識調査を専門にしている先輩がいました。口癖は「社会科学は自然科学のように簡単ではない」でした。最初に聞いた時には,何を言っているのか意味が分かりませんでした。

「自然科学は,実験して計算すれば結果がでるので楽だよね」というのもありました。音楽好きで親切な先輩でした。理系出身の私に対する個人的な嫌味かとも思いましたが,彼の性格からして,嫌味というよりむしろ本気でそう思っていたようです。

哲学的な感じのことも言われました。例えば,「自然科学では,否定の否定は肯定になるけど,現実はそんなに単純じゃない」とかです。アンケートの選択肢によくある「どちらでもない」の有効性の主張なのかと思いました。

(社会科学では実験が困難)

自然科学と社会科学のどちらが難しいかは,比べる視点を丁寧に絞った上でないといえないことです。しかし実験する,それも繰り返して行うことのやり易さは自然科学と社会科学との大きな違いの一つです。

社会科学の分野でも実験的な活動はあります。例えばアンケートやインタビューなどです。実証試験といった活動もあります。ただ,自然科学,技術開発分野での実験とは趣がだいぶ違います。

この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。

ログインフォーム
 ログイン状態を保持する  
新規読者登録フォーム

同じカテゴリの連載記事

  • バリアフリーのオプトエレクトロニクス 2021年01月15日
  • 分かるけど腑に落ちない
    分かるけど腑に落ちない 2021年01月05日
  • 黒船効果 2020年12月15日
  • 偉い学者のお言葉
    偉い学者のお言葉 2020年12月01日
  • 笑えるAI 2020年11月17日
  • いよいよ光のコンピュータ
    いよいよ光のコンピュータ 2020年10月30日
  • 5Sってご存じですか
    5Sってご存じですか 2020年10月19日
  • ドンペリ効果 2020年09月30日