テラヘルツドップラ測定に基づく非接触心拍計測の試み

1. はじめに

心拍は人のバイタルサインの中でも最も基本的なものである。日常動作中や就寝中,あるいはスポーツ中などにおける心拍の変動を,特別な装具を身に着けることなく非接触に計測できれば,ヘルスモニタリングやトレーニングの評価などにおいて貴重なデータを提供できると考えられる。これまでに,マイクロ波や光を用いて心拍に伴う胸部の微小変位を非接触で計測する技術が存在している。

しかし,マイクロ波の波長はcmオーダと長いため,反射位相を計測しても聴診器のように心臓の詳細な動きを反映した情報が得られるわけではなく,心拍レートを推定するといった用途に留まっている。一方,光を用いると分解能は高まるものの,衣服で容易に遮蔽されるため,露出した皮膚を直接計測することが必要となる。

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