ティー・イーエム,Agilentアキリス高速デジタイザを販売展開へ―OCT市場を足がかりにニーズを探る―

 ティー・イーエムとアキリスジャパンは,Agilent Technologies社アキリス高速デジタイザの国内販売で提携し,営業展開を行なっている。 ティー・イーエムは,主力商品の一つであるガルバノスキャナがレーザシステムなどの分野において高い納入実績を持っているが,今回Agilentアキリス高速デジタイザを取り扱うことで,アプリケーションによってユーザの要求・要望に対し,その解決策として提案できるとしている。

アキリスジャパンはスイス・ジュネーブにあるAqiris Acqiris SA社が,2006年12月に米国Agilent Technologiesに買収された後も,アキリス製品の販売業務を引継ぎ,高速デジタイザ,高速データ・コンバータ・システム,時間・デジタルコンバータなどの国内市場における販売,技術サポートを行なっている。

Agilentアキリス高速デジタイザは高分解能・高サンプリングレートなどを有するハイエンドな製品であるのが大きな特長の一つ。物理計測分野に加え,質量分析装置等,検査システムへの組み込みが,主なアプリケーションである。

デジタイザは装置組み込み用部品として,様々な分野での導入が考えられるが,アキリスジャパンでは,バイオ/メディカル分野における関連装置への展開を一つのターゲットとして捉えており,メディカル分野の中でも,特にOCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層計)市場に注目している。

一方,ティー・イーエムは,これまでOCT市場向けにガルバノスキャナを供給してきており,重要なマーケットとして捉えている。OCTはA/Dコンバータが使用されているが,このような観点から両社は販路開拓に向け,パートナーシップを図っていくことで合意したという。

OCT市場における本格的な販売展開はこれからとしているが,まずは同市場を足がかりに,その動向を見極めながら適用の可能性を探っていくとしている。OCTの進化に伴い,高速/高分解能デジタイザへのニーズが高まるものと期待されており,両社では各種関連展示会を通じて製品PRを展開している。アキリス高速デジタイザは8~12ビットのデジタイザで強みを持つことから,今後の販売展開が注目されるところだ。

ガルバノ
写真1 主力のガルバノスキャナ(高速デジタイザを利用したデモ)

8ビット
写真2 アキリスの8ビット高速PCIデジタイザ