NEDO,革新的センシングデバイス開発に着手

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は,IoT社会実現のための革新的センシング技術開発に取り組んでおり,既存のIoT技術では極めて困難な過酷な環境下や非破壊での計測,超低濃度成分の検出などを可能とする革新的センシングデバイスの実現に向けて,新たに6件の研究開発に着手した。(ニュースリリース)。

この6件のうち,光関連として下記2件が採択された。そのうち一件目は,「高速・高SNR撮像素子による流体濃度分布その場計測デバイスの開発」(参画機関:東北大学,アストロデザイン,フジキン)

ここでは,広光波長帯域・高耐光性フォトダイオード技術,高容量密度キャパシタを画素毎に適用した照度範囲7ケタ超の広ダイナミックレンジ・グローバルシャッタ画素を有する革新的なCMOSイメージセンサ技術を創出する。

前半3年では,(1)1000枚/秒の高速フレームレート・70dB超の高SNRを有するグローバルシャッタCMOSイメージセンサーを開発し,これを搭載した(2)小型分光イメージングデバイスのプロトタイプを開発し,(3)半導体製造装置内流体濃度分布計測を実証する。

後半2年では,(4)製造プロセスリアルタイム流体濃度分布計測およびデータ解析の実証,さらに,(5)高解像度・小型イメージングモジュールの開発と多分野展開を行ない,微量環境汚染物質の可視化,牛乳成分内細胞量のモニタリング,非侵襲血糖値計測等への応用展開を図る。

二件目は,「波長掃引中赤外レーザによる次世代火山ガス防災技術の研究開発」(参画機関:浜松ホトニクス,産業技術総合研究所)

火山ガスの組成マッピングを実現するため,従来の電気化学式センサーに代わる光学式センサーを用いた次世代赤外分光装置及びモニタリングシステムの開発を行なう。

装置の主要モジュールとして,中赤外の波長掃引パルス量子カスケードレーザ(QCL)を光源と,InAsSb光起電力素子を受光素子とした全光学式の次世代赤外分析計を開発する。指向性の高いレーザーを用いてガスの高感度分析を行なう。

高感度計測には計測光とガスとの相互作用距離を長くする必要があるため,多重反射デバイス(ガスアンテナ)を開発し,高感度化と取り扱いのしやすさを両立させる。

装置の実証評価として,火山地帯における火山ガス組成の空間分布および時間変動の連続観察を実施する。また,レーザービームの通過域が計測可能となる特長を生かして,複数のレーザー光により多点観測を行ない,トモグラフィーによる火山ガス組成の空間分布を解析する。

これらを通じて火山ガス成分の詳細な3次元空間分布の把握(火山マッピング)を可能とし,IoT環境を利用したモニタリングシステムを活用した革新的な防災技術の確立と,新しい火山活動モニタリングシステムの構築を目指すとしている。

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