阪大,粘着性が変化するディスプレー開発

大阪大学の研究グループは,温度によって粘着性が変化する特殊なポリマーシートをディスプレースクリーン上に配置し,局所的な温度変化を制御することで,表面の粘着性を局所的に制御可能なディスプレーシステムを開発した(ニュースリリース)。

タブレットやスマートフォンのような,入力面と出力面が一致するようなタッチディスプレーは,指などを用いた直感的な情報の操作を可能とする反面,その表面は一般的に平面ガラスである場合が多く,情報の変化に合わせて触り心地が変化するような情報提示は不可能だった。

そのため,表面の微少な形状や摩擦係数を操作して操作感を向上させようとする商品などが提案されている。しかし,このようなディスプレーガラス表面の変更は,表面の一部だけ形状を変化させたり,摩擦係数を変えるというような,動的かつインタラクティブな制御はできなかった。

そこで研究グループは,ディスプレー表面を温度によって粘着性が変化する特殊なポリマーシートで覆い,局所的な温度をコンピューターによって制御することで,自由に表面の粘着性(摩擦力)を変化し,映像のような2次元情報に,粘着という触覚(1次元)を加えることができるディスプレー装置の開発を行なった。

このディスプレーは粘着性変化モジュールをアレイ状に並べて実装する。モジュールのサイズはタッチ操作を想定して,人差し指の大きさ程度の8.3mm角のペルチェ素子を使用した。コンピューターはそれぞれの粘着性変化モジュールの粘着性を3段階(粘着無し,弱粘着,強粘着)でコントロールする。

粘着性変化モジュールは感温型の粘着性シート,ペルチェ素子,サーミスタ,ヒートシンク,DCファンで構成され,粘着性シートに与える温度をペルチェ素子によって変更することで,その粘着性を制御する。粘着性シートはあらかじめ設定されたスイッチング温度があり,スイッチング温度付近で粘着力が急激に変化する。

この研究で用いたシートはニッタ製のインテリマーテープで,利用者に痛みなどの不快感を与えない範囲の温度で粘着力の変化を提示できるように,スイッチング温度が40度のものを使用した。

この温度を上回ると急激に粘着性が発生し,30℃から48℃の範囲で最大で2.6[N/25mm]の粘着性を提示することができ,粘着の表出と何もない状態は自由に数秒で入れ替えられるという。このシートによる粘着性の変化に対する知覚を調査した被験者実験の結果,3段階の粘着が提示可能であることが分かった。

研究グループでは,今後,エンターテインメント応用や,デジタルサイネージとしての利用といった応用を検討し,実用化を進めていく予定としている。

その他関連ニュース

  • シャープ,MS規格4Kタッチディスプレー発売 2020年01月22日
  • パナ,4K液晶「電子黒板」を発売 2020年01月20日