京大,負の屈折率温度係数を持つ材料を発見

京都大学の研究グループは,ハロゲン化金属ペロブスカイトCH3NH3PbCl3が,温度上昇とともに屈折率が大きく減少する,新しい負の屈折率温度係数を持つ物質であることを発見した(ニュースリリース)。

ハロゲン化金属ペロブスカイトは,材料費が安価かつ,溶液法で作製した際にも高品質な結晶を得ることができるため,フレキシブルな光デバイスの材料として注目されている。このような光デバイスにおいて,用いる物質の屈折率は最適な素子構造を決定する最も重要なパラメーターの1つ。しかしこれまで,ペロブスカイト材料の屈折率が温度に対してどのように変化するかは明らかになっていなかった。

今回,研究グループはハロゲン化金属ペロブスカイト物質の1つであるCH3NH3PbCl3の単結晶を作製し,その屈折率の温度依存性を測定した。その結果,CH3NH3PbCl3の屈折率は温度上昇とともに大きく減少することを発見した。この負の屈折率温度係数は,シリコンなどの実用半導体材料が示す正の屈折率温度係数や正の熱膨張率と逆の符号となる。

研究グループは,この逆の性質を用いることで,通常の半導体材料中で温度変化によって生じてしまう光学特性の補償が可能であることを示した。負の屈折率温度係数を持つCH3NH3PbCl3を用いることで,正の屈折率温度係数を持つ半導体ZnSeで生じる温度にともなう光路長の変化を,完全に打ち消すことに成功したという。

研究グループは,このCH3NH3PbCl3は可視光から近赤外光の幅広い波長の光を透過し,溶液法で高品質な試料を簡単に作製可能であるため,光集積回路などさまざまな光デバイスでの温度補償応用への展開が期待できるとしている。

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