北里大ら,LEDによるマコガレイの成長促進を実証

北里大学は,神奈川県水産技術センターとスタンレー電気株式会社と共同で,緑色LED(発光ダイオード)の光をマコガレイの稚魚に照射すると,通常の飼育と比べて成長が早くなることを初めて実証した(ニュースリリース)。

緑LED光の成長促進効果は,ヒラメやホシガレイで有効性が確認されているが,マコガレイに適用したのは今回が初めて。全長27ミリのマコガレイ稚魚に緑色LED光を4週間照射したところ,通常の方法と比べて,体長で1.2倍,体重で1.4倍成長が早まることが明らかとなった。

マコガレイは底びき網やさし網で漁獲される東京湾の主要魚種のひとつだが,近年資源が減少し漁獲量が低迷している。そのため,神奈川県では漁業者などがマコガレイの稚魚を放流する“つくり育てる漁業(栽培漁業)”を推進してきた。

しかしマコガレイは成長が遅く,ヒラメと比べた場合でも,同じ大きさに育てるのに2倍もの日数を要するといった課題がある。

同大では,緑色LED光が成長促進を導く仕組みなどの解明に向けて関係機関と共同研究を進めるという。『東京オリンピックに江戸前を!』を目標にして,江戸前のマコガレイ資源の早期回復を目指すとしている。

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