大陽日酸,中国有機EL材料メーカーへ出資


大陽日酸は,子会社である大陽日酸(中国) 投資有限公司を通じて,中国吉林省長春の有機EL材料ベンチャー企業である吉林奥来徳光電材料(Jilin OLED)に出資し,同社製品のグローバル市場における独占販売権を獲得した(ニュースリリース)。

大陽日酸は,中期経営計画に基づき,ベンチャー投資による高付加価値製品並びに差異化製品の取り込みを推進している。今回出資したJilin OLED社は,2005年に設立した中国ベンチャー企業で,高純度な有機EL材料開発で成長しており,中国の主要なディスプレーメーカーにも材料を供給している。

有機EL産業は中国の戦略的産業に位置付けられており,今後見込まれる中国国内での需要増に対応すべく,Jilin OLED社は製造能力の強化を行なってきた。ディスプレーメーカーなどの顧客との強固な関係を構築しており,中国国内のみならず国外へもビジネスを拡大しているとしている。

今回の出資は,大陽日酸のエレクトロニクス戦略の施策の一つ。同社グループのブランドと販売網を通じて,アジアを中心とした市場へJilin OLED社の有機EL材料と同社のガスの両製品を提供していく。

また,同社が培った半導体関連製品の品質管理技術をもとに,Jilin OLED社製品の品質レベルの向上を加速し,今後は開発体制における両社の協力により,ガス・液体材料で同社が有する精製技術を有機EL材料に展開していくとしている。