三井化学,高屈折レンズ材料でスタンプルーペを開発

三井化学は,社会福祉法人日本ライトハウスとホプニック研究所とともに,ロービジョン(弱視)や高齢者向けに,同社製品である高屈折率レンズ材料「MR™」を使用した世界最高倍率のスタンプルーペを共同開発した(ニュースリリース)。

スタンプルーペとは,紙面に置いて上から覗くだけで,新聞の文字などを簡単に拡大できる拡大鏡。従来の手持ち型と比べると,その手軽さに加え,レンズの集光効果で明るく文字が読め,拡大された文字と紙面の文字がほぼ同じ位置で見えるため,利用者の目の負担が少ない点に大きな特徴がある。

従来のスタンプルーペは,低屈折率のレンズ材料が使用されており,また,スタンプルーペの独特な形状の制約から,1.8倍が最高倍率だったが,薄くて軽いメガネレンズに広く採用されている同社の高屈折率レンズ材料「MR™」を用い,ホプニック研究所の高いレンズ製造技術を駆使してスタンプルーペの理想的な形状に作り上げることで,世界最高倍率2.0倍を実現した。

小さい文字が見えづらい高齢者のみならず,完全矯正していても思うように視力が得られないロービジョンの人々のQOL(Quality of Life)向上に貢献出来る商品だとしている。このスタンプルーペは,”みてみ”という商品名で,2016年3月から社会福祉法人日本ライトハウスおよび全国の小売店で販売開始予定。レンズサイズは直径60mmと80mmの2サイズを用意する。