富士フイルム,CMOSを採用したレーザ内視鏡スコープを発売

富士フイルムは,内視鏡システムの光源にレーザを用いた内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」用スコープとして初めて,イメージセンサに高解像度CMOSセンサを搭載した下部消化管用拡大スコープ「EC-L600ZP」を,5月29日より富士フイルムメディカルを通じて発売する(ニュースリリース)。

「LASEREO」は,波長の異なる「白色光観察用レーザ(白色光用レーザ)」と,「狭帯域光観察用レーザ」の2種類のレーザを搭載している。白色光用レーザは,蛍光体により生成したスペクトル幅の広い白色光を照射することで,自然な色の画像をモニタ上に再現する。また「狭帯域光観察用レーザ」は,波長が短いスペクトル幅の狭い光で,これを照射することで粘膜表層の微細血管やわずかな粘膜の凹凸などのコントラストを強調して画像をシャープに映し出すことができ,微小な病変の観察をサポートする。

下部消化管用拡大スコープ「EC-L600ZP」は,「LASEREO」用スコープとして初めてCMOSセンサを搭載。このセンサと,粘膜表層の微細血管のコントラストを高めて強調して表示する「Blue LASER Imaging(BLI)機能」や粘膜表層の微細血管のコントラストを高めた画像に対し赤色領域のわずかな色の違いを画像処理で見やすく表示する「Linked Color Imaging(LCI)」を組み合わせることにより,低ノイズで高解像度な画像を実現した。

また,最短1.5mmからの近接観察を実現する新設計のレンズを搭載。さらに光学拡大時の動作モードは,通常用いられる「連続ズーム動作モード」に加え,新たに簡単なボタン操作で段階的に拡大できる「ステップズーム動作モード」を搭載し,拡大観察時にピントを合わせやすくなった。

この製品は,検査中の患者の身体的苦痛を低減するための細さ・軟らかさと,操作者の手元側の操作の微妙な力加減を効率的に先端に伝えることができる硬さの両立を追及した。また,軟性部は,高い弾発性を持つ新素材を採用した高追従挿入部となっている。屈曲部が多い大腸へのスムーズな挿入をサポートし,検診から精密検査まで広範なシーンにおいて患者の身体的苦痛の低減と検査効率の向上が期待できるとしている。