浜松ホトニクス,メタハラ同等のUV-LEDユニットを発売

浜松ホトニクスは,紫外線照射強度を同社従来品の約7倍と高出力化することで,メタルハライドランプと同等レベルにした,紫外線LED(以下UV-LED)ユニットLIGHTNINGCURE LC-L5G「L12990-2303」を,高スループットが要求されるUV印刷の用途に向けて,国内外の印刷装置メーカに4月1日から発売する。価格は64万8千円(ニュースリリース)。

近年,オフセット印刷では,紫外線に速乾性のあるUVインキを用いて,瞬間的にインキを硬化・乾燥させる印刷手法が主流となりつつあり,光源にメタルハライドランプが用いられている。新製品は,低消費電力で長寿命であるLEDの特長を維持したまま,メタルハライドランプの紫外線照射強度と同等レベルの出力にした。

具体的には,ヒートシンク材料を変え,放熱特性を向上することで,紫外線照射強度を同社従来品の約7倍の10,000mW/cm2と高出力化を実現した,中心発光波長385nmのUV-LEDユニットで,高スループットが要求されるUV印刷に対応が可能になった。また,UV印刷向けに,UVインキが飛散して付着する照射窓の窓板ガラスを簡単に交換できるようにした。

さらに,空冷方式のため冷却用のチラー設備や排熱のための排気ダクト工事が不要であり,LEDのためメタルハライドランプに比べて消費電力が3分の1以下で製品寿命も約2万時間と約10倍長いため,初期導入費用とメンテナンスコストの削減が期待できるという。

またUV印刷以外にも,プリント基板の保護膜などのUVコーティング剤の乾燥やUVテープ剥離,デジタル家電製造用UV接着,モバイル端末の高機能フィルム貼り合わせ接着などの用途にも応用が可能。今後,各種用途に応じて,年内をめどに,中心発光波長が365nm,395nm,405nmの製品やより広い照射エリアに対応する製品もラインナップに加えていく。