2014年世界半導体市場シェア,台湾メディアテックと米アバゴ・テクノロジーが躍進/国内メーカは苦戦か

米調査会社IHS Technology は,12 月 22 日「2014 年 世界半導体マーケットシェア・ランキング(暫定速報値)」を発表した。

それによると,2014年の半導体市場は,2013年の3,228億ドルより9.4%の成長を見込み,3,532億ドルとみている。対前年比は,2013年は6.4%増,2012年は2.8%以上減,2011年は1.2%増であり,2010年の33.4%増以来の大きな成長を予想している。

「2013年の成長はメモリビジネスが起因したが,2014年は,より幅広い様々なチップが好調で,半導体メーカにとっては良い年であっただろう。」と同社のDale Ford氏はコメントしている。

広範囲に及ぶ成長
同社がカバーしている主要28半導体デバイスの中で,2014年は22品種が増加見込み。2013年は12品種だった。 2013年のDRAMとNAND flash memoryの売上は合わせて対前年比30%以上増加したが,その他のデバイス全体の売上は1.5%程度の成長であった。

2014年のDRAMとNAND flash memoryは引き続き好調で,合わせた売 上は対前年比およそ20%増加見込み。その他のデバイス全体の売上は,対前年比6.7%増加見込みで,こ れが半導体市場全体の9.4%増加と予測している。

2014年は半分以上の15品種が5%以上の増加を見込み,更に8品種で二桁成長を見込んでいる。 2014年,半導体メーカ全体の約70%が売上を増やすと予想している。2013年はメーカ全体の53%が売上増であった。

好調な半導体市場
DRAMとLEDsは特に好調で,2013年に引き続き2014年も対前年比をそれぞれDRAMは33%,LEDsは11%増加を見込む。DRAMは2年連続で30%以上の成長を見込んでいる。LED市場は調査を開始して以来過去13年連続で増加しているという。

2014年に高成長が期待されるデバイスは,ディスクリートとマイクロプロセッサ(MPU)。2013年は,対前年比マイナス成長だったが,2014年は対前年比それぞれ10%程度の成長を見込んでいる。

更に,PLD(プログラマブルロジックデバイスは)やDSP ASICs(デジタルシグナルプロセッサ)もまた売上増加を見込む。PLDは2013年対前年比2.1%増加から,2014年は対前年比10.2%増加,DSP ASICsも2013年対前年比- 31.9%減より,2014年は対前年比3.8%増加を見込む。

トップ20のサプライヤのうち,台湾のメディアテック社と米アバゴ・テクノロジー社の2社は,対前年比もっとも大きな増加を見込む。これには企業の買収が起因している。メディアテック社は,昨年より5つ順位を上げて10位にランクインすると予想。台湾に本社を置くサプライヤとしては初めてのトップ10となる。

アバゴ・テクノロジー社も昨年より8つ順位を上げて15位にランクインを予想。 企業の買収無しに最も大きな成長を見込んでいるのは,韓国のSKハイニクス社で対前年比23%増を見込んでいる。

13位が予想されるインフィニオンテクノロジー社は,インターナショナル・レクティファイア社を買収予定と発表したが,この買収が2014年内に終われば,売上でトップ10にライクインする見込みであり,売上も合わせて対前年比16%程度売上が増加するとみている。

苦戦のコンスーマーと日本市場
アプリケーション別でみると,コンスーマーアプリケーション市場が売上を落とすとみているが,その他5つのアプリケーション(データ・プロセッシング市場,ワイアード通信市場,ワイアレス通信市場,オートモーティブ市場,産業向けアプリケーション市場)は売上増を予想し,そのうち4つのアプリケーション市場は二桁成長を見込む。

地域別でみると,日本に本社を置く半導体メーカ全体の売上は,対前年比マイナス成長で,苦戦を予想する。他の3つの地域(アジア・パシフィック地域,北米地域,EMEA地域)はそれぞれ成長が見込まれ,特にアジア・パシフィック地域に本社を置く半導体メーカ全体の売上は,対前年比12.5%の二桁の成長とみている。

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