NHKら,裸眼3D映像に向けた高速読出し撮像デバイスを開発

NHKは,将来の特殊なめがねを用いることなく自然な立体感のある映像を撮影可能なカメラの実現に向け,研究開発を進めているが,今回,東京大学と共同で,カメラに搭載する新たな撮像デバイスの技術開発に成功した(ニュースリリース)。

撮像デバイスは,縦横に配列した画素で受けた光の明るさを電気信号に変換して出力する素子で,その性能は,精細さの目安となる「画素数」や動きの滑らかさの目安となる「フレームレート」などで表されるが,立体映像を撮影する場合,2次元の映像をはるかに超える画素数が必要になる。

撮像デバイスは,光を電気信号に変換する画素と信号読み出し回路で構成 されている。現在の一般的な撮像デバイスは,信号読み出し回路 が画素1列ごとに平面的に配置されており,1列分の画素の信号を順次出力 するため,画素数が多くなると信号出力に時間がかかり,フレームレートが低くなっていた。

今回開発したデバイスは3次元構造(「3次元構造撮像デバイス」)」で,半導体回路を接着層なしで積層し,画素の直下に各画素専用の信号読み出し回路を配置することで,画素数に関わらず1画面を1回の信号読み出しで全画素一斉に信号を出力することが可能になる。これにより,「超多画素化」と「高フレームレート化」を両立できる。

この技術についてNHKは,将来,立体映像を活用した新たな放送サービスの可能性を開くものであり,今後も実用化を目指して研究を進めるとしている。

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