富士フイルム,「Deep UVA」の肌内部への到達状況の可視化に成功

富士フイルムは,地上に届く紫外線UVAの約50%を占める最長波領域「Deep UVA」(波長370~400nm)の肌内部への到達状況を,独自計測技術によって世界で初めて可視化することに成功した(ニュースリリース)。

同社はこれまで,皮膚深層部にダメージを与えてシミ・しわ・たるみなどの原因となる紫外線UVAの中でも,最長波領域の「Deep UVA」に着目し,研究を続けてきた。その過程において,平成23年には世界で初めて「Deep UVA」を効果的に防御することができる有機無機ハイブリッド型紫外線防御剤「D-UVガード」を開発している。

今回,紫外線の肌内部への到達状況を可視化できる「ワンショット紫外-可視分光OCT(光干渉断層画像)」と,「Deep UVA」の透過状況を確認できる「D-UVA可視化システム」という,2つの新たな画像計測技術を開発した。

「ワンショット紫外-可視分光OCT」は「Deep UVA」の領域の光を照射するように調整し,肌への「Deep UVA」の深さ方向の分布を明らかにできるように開発した。また,「D-UVA可視化システム」は近紫外線領域を撮像できるカメラに,「Deep UVA」波長帯域光のみを透過させるバンドパスフィルタを設置して撮影した。さらに光の強度をコンピュータで解析し,強度分布を着色した一連のシステムを新たに開発した。

これらの技術を用いて,肌深部にある真皮層まで「Deep UVA」が届く様子と,「Deep UVA」が日常のシーンにおいて,屋外だけでなく屋内や車内などでも肌に降り注いでいることを可視化して確認することに成功した。また,同社「D-UVガード」が「Deep UVA」を防御することも改めて確認したという。

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