東大ら,脳画像から運転能力を評価できる可能性を発見

東京大学,高知工科大学のグループ,および高知県警運転免許センターのグループは,白質病変と診断される高齢者群(60歳以上)が同世代の白質病変と診断されない高齢者群と比較して運転能力が低下していることを実車両の運転試験の結果によって示した(ニュースリリース)。

白質病変とは,大脳内にできる細胞の隙間であり,脳のMRI画像を撮った際に,断面画像の中で白色に見えることから,このような名前がついている。この隙間が多い重度の白質病変では,脳機能が低下し認知症との関連性が指摘されているが,軽度の白質病変では脳機能の低下を明白に示すデータはなく,運転能力に及ぼす影響は全く調べられていなかった。

共同研究グループは運転への注意が妨げられている時とそうではない時の運転を観測することによって,白質病変の有無によって高齢者の運転能力に差があることを示した。白質病変はMRI画像によって診断されるため,MRI画像によって運転能力を評価することができる可能性を示した。

また,注意力が散漫になった時の運転を観測することが高齢者の運転能力を評価する有効な方法であることも示唆した。研究グループはこの研究の成果について,高齢者の運転教育,運転支援法を考える時の基礎データとして活用できると期待している。

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