富士通,会津若松の植物工場をオープンイノベーション拠点として強化

富士通グループは,同社の食・農クラウド「Akisai(アキサイ,秋彩)」を活用した完全閉鎖型植物工場「会津若松Akisaiやさい工場」を,産官学の多様な立場の人材,技術が交流し,農商工医ならびに教育分野との連携により新たな価値を創造するオープンイノベーション拠点として強化していく(ニュースリリース)。

具体的には,現在、生産・販売している低カリウムリーフレタスに加え,秋田県立大学と新たな低カリウム野菜を開発するための共同研究を8月1日より開始した。同大学出身の研究者を「会津若松Akisaiやさい工場」へ招聘するなどの連携により,栽培方法を研究し実用化する。

また,2013年度,福島県立医科大学と行なった,透析患者における低カリウムリーフレタスの有用性について臨床試験の結果をもとに,各種学会や全国各地の腎友会の場において説明を行なったりなどして,低カリウム野菜の市場の創造に取り組んでいる。

今後ICTにおいて,ICTソリューション「環境経営ダッシュボード」により生産や経営の全体最適化を目指すほか,農作物の生産マネジメントシステムであるJGAP(農水省の品質保証を導入した生産管理手法)の導入・運用を支援するツール,播種から収穫までの流れを効率的に管理するシステムも導入し,「会津若松Akisaiやさい工場」における全体最適化を目指す。

さらに,富士通グループ社員が講師となり,小学校5年生を対象に未来の農業について考える授業授業を5月に行ない,今後,関係機関との連携を図りながら福島県内を中心に本授業を展開し,次世代の育成に貢献しくとしている。

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