NEDOら,13種類のがんを1回の採血で診断する検査システムの開発に着手

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は,国立がん研究センター(NCC),東レ及びアカデミア,企業等他7機関と共に,健康診断などで簡便にがんや認知症を検査できる世界最先端の診断機器・検査システムの開発に着手する(ニュースリリース)。

NEDOは,これまでにもがんの早期の診断・治療のために多くのプロジェクトに取り組んできたが,今回,患者への負担が小さく,より早期に一度に様々ながんを診断できる技術の開発を支援する。プロジェクトの研究成果の実用化により,新しい医療産業の育成につながることを期待しているという。

プロジェクトでは,NCCに蓄積された膨大な臨床情報とバイオバンクの検体,マイクロRNA腫瘍マーカーについての研究成果を基盤として,東レが開発した高感度なDNAチップと,東レとNCCが共同開発した血液中に存在するマイクロRNAバイオマーカーの革新的な探索方法を活用して,体液中のマイクロRNAの発現状態についてのデータベースを構築,網羅的に解析する。

この測定技術により,乳がんや大腸がんなど13種類のがんや認知症の早期発見マーカーを見出し,これらのマーカーを検出するバイオツールを世界に先駆け実用化を目指す。

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