NEC,「衛星インテグレーションセンター」の稼働を開始

NECは7月2日,府中事業場(東京都府中市)の敷地内に建設していた,人工衛星の組み立てや評価・試験などを行なう「衛星インテグレーションセンター」の稼働を開始したと発表した。(ニュースリリース)。「衛星インテグレーションセンター」の稼働により,既存工場と合わせて最大8機の人工衛星を並行して組み立て可能となる。

この施設は,高さ50m,フロア面積9,900m²で,大型スペースチャンバーや20mを超える室内高を有する大空間作業室(ハイベイ)を備えるなど,大型衛星に対応可能な構造となっている。さらに,震度6強の耐震性を有している。投資額は,建屋・設備を合わせて約96億円だが,経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」の採択事業となっており,同社の実質的な投資額は約76億円となっている。

他にも相模原事業場(神奈川県相模原市)に展開する小型衛星組み立て工場など,同社の衛星標準バス「NEXTARシリーズ」の自社一貫生産体制を整備しており,環境監視・災害監視・測位などの衛星インフラ整備,アジアをはじめとする宇宙新興国の衛星需要などを積極的に取り込み,2020年度の宇宙関連事業規模1,000億円を目指す。

同社は,日本初の人工衛星「おおすみ」(1970年打上げ)をはじめ,小惑星イトカワからのサンプルリターンを達成した小惑星探査機「はやぶさ」や昨年9月にイプシロンロケットで打上げられた惑星分光観測衛星「ひさき」など,67機の人工衛星のインテグレーション(取りまとめ)を担当している。