東工大のスパコン,省エネ性能スパコンランキング2期連続世界1位を獲得

東京工業大学学術国際情報センター(GSIC)が,日本電気(NEC),米国NVIDIA社など内外各社の協力で開発し,2013年10月に稼動を開始したスーパーコンピュータ「TSUBAME-KFC」が,再び世界最高の省電力スパコンとして認定された(ニュースリリース)。

TOP500のスパコンの電力性能ランキングであるThe Green 500 Listの2014年6月版において,1Wあたり4,389.82メガフロップスという値を記録し,世界1位になったことが6月30日(ニューヨーク時間)に発表された。

これは,2013年11月版に引き続き2期連続での1位となったもの。低炭素社会の実現に向けた日米合同の技術リーダーシップを示したといえる成果。同時にビッグデータ処理の省エネルギー性を競うために昨年から始まったThe Green Graph 500 List のビックデータ部門にても世界6位となった。

また,昨年9月にアップグレードされた同センターのスパコン「TSUBAME2.5」も1Wあたり2,951.95メガフロップスを記録し,The Green500 Listにおいて世界8位にランキングされている。「TSUBAME2.5」は、The TOP500 Listにおいても世界13位となり,日本国内ではスーパーコンピュータ「京」に次ぐ第2位となった。

TSUBAME-KFCはTSUBAME2.0の後継となるTSUBAME3.0及びそれ以降のためのテストベッドシステムとして,同センターが推進する文部科学省概算要求「スパコン・クラウド情報基盤におけるウルトラグリーン化技術」プロジェクトによって設計・開発された。同プロジェクトではスーパーコンピュータの消費電力とそれに係る冷却電力の双方の削減を目標としており,TSUBAME-KFCでは計算ノードを循環する油性冷却溶媒液の中に計算機システムを浸して冷却する油浸冷却技術及び冷却塔による大気冷却の組み合わせによって,非常に少ない消費電力で冷却できるように設計している。

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