オリンパス,生物顕微鏡用対物レンズの新製品を発売

オリンパスは生物顕微鏡用の3本の対物レンズを発売した(ニュースリリース)。今回発売するのは多光子励起レーザ走査型顕微鏡用対物レンズ「XLPLN10XSVMP/25XGMP」の2種類と,シリコーン浸対物レンズ「UPLSAPO30XSIR」。

生命科学・医学の研究分野では,生きた細胞を用いてタンパク質や神経などの役割・機能を解明し,創薬や新しい領域への応用を目指す研究が活発化している。特に脳神経分野では,脳神経のメカニズム解明やアルツハイマー,認知症などといった未解明の病気の治療法・治療薬の研究・開発のため,組織表面から深部の生体を観察するニーズが高まっている。こうした研究に携わる研究者のニーズに応えるため,多光子励起レーザ走査型顕微鏡「FLUOVIEW」シリーズと組み合せて使用する対物レンズのラインナップ拡充を図った。

同顕微鏡用対物レンズは標本透明化液と合わせて使用することで,生体組織を傷つけることなく,表面から深部まで高解像の3次元画像を観察することが可能で,「XLPLN10XSVMP」は低倍率のため,広い視野でより効率的な深部の観察が可能。一方の「XLPLN25XGMP」は最深8mmまで高解像の深部観察が可能で,高屈折率の液体を用いた標本透明化技術にも対応する。

「UPLSAPO30XSIR」はレンズ表面のコーティングを改良し,多光子励起レーザ顕微鏡による生体観察において,組織表面から深部まで,より明るい画像で観察することができる。また,長時間にわたり時間経過ごとの変化を観るタイムラプス観察にも適している。

価格は「XLPLN10XSVMP」が200万円,「XLPLN25XGMP」が250万円,「UPLSAPO30XSIR」が120万円となっている。

※7月3日:価格の記載が間違っていたため修正しました