NEDO,誤差数センチの日本版GPS「準天頂衛星システム」をASEANで実証へ

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は,東南アジア諸国連合(ASEAN)地域において,日本の測位衛星,準天頂衛星初号機「みちびき」を活用した高精度の測位システム「準天頂衛星システム(QZSS)」の実証事業に着手する(ニュースリリース)。

QZSSは,既に普及している米国の全地球測位システム(GPS)等を補強することで誤差数cmという世界最高精度の測位を可能にする“日本版GPS”。2010年に準天頂衛星初号機の「みちびき」が打ち上げられ,国内での実証例はあるが,海外では十分な精度評価と利用実証が行なわれていなかった。

ASEANでは経済の発展に伴って,高精度なカーナビゲーションや鉄道の運行制御,自動車・農業機械の自動運転,防災システムなどの関連分野で,2020年に2.5兆円もの経済効果が見込まれている。NEDOはASEAN地域でQZSSの実証を行なうことで,QZSSの利用が可能なアジア・オセアニア地域における日本企業のビジネス展開を後押しする。

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