レーザー学会前会長,中井貞雄氏が瑞宝中綬章を受章

レーザー学会前会長でOPIC2014の組織委員長も務める,大阪大学名誉教授の中井貞雄氏が,平成26年春の叙勲で瑞宝中綬章を受章した。これは,同氏が大阪大学において長年にわたるレーザ核融合の研究を通じてあげた数々の研究成果や,レーザー学会の会長として日本の光学分野の発展に尽力した功績が認められたもの。

後日開催された受賞祝賀会の席で中井氏は「レーザー学会会長を5年間務めた中で強く感じたのは,光技術が確実に科学技術・産業技術にも広がっているということ。世界もナショナルプロジェクトを立ててどんどん進んでいる。しかし,日本だけは個人で頑張っている人はいても,国として大きくコヒレントに物事を進めようという動きが無く,文科省に陳情しても聞いてくれない」と日本の光技術の現状を危ぶんだ。

一方で「光の技術の先にはレーザ核融合がある。これが無いと日本の将来が無い。人類の将来が無い。石油資源だけに頼っているから,中東で戦火が絶えない。中東に石油が無ければああはなっていなかったと思う。レーザに限らず,核融合エネルギーの開発というのは人類の大きな課題だ。これが無くては絶対に将来は無いと信じている。そのためにも光技術のベースの底上げが必要だ」と,光技術の重要性を説くと共に,その将来に大きな期待を寄せた。