JAXAとNASAが開発した全球降水観測計画主衛星,初画像取得に成功

宇宙航空研究開発機構(JAXA)及び米国航空宇宙局(NASA)が共同開発し,平成26年2月28日に種子島宇宙センターから打ち上げられた全球降水観測計画主衛星(GPM主衛星)が初画像を取得した。

DPRによる降水の三次元分布 GMIによる地表面付近の降水の強さ

全球降水観測計画(GPM計画)は,JAXA及びNASAが進める国際共同ミッションで,GPM主衛星と他の協力機関の副衛星群によって,一日に複数回,地球全体の降水(雨や雪)を観測するもの。GPM計画の要となるGPM主衛星は,JAXAが情報通信研究機構(NICT)と共同で開発した二周波降水レーダ(DPR)と,NASAが開発したGPMマイクロ波放射計(GMI)の二つのミッション機器を搭載している。

左図はDPRによる降水の三次元分布,右図はGMIによる地表面付近の降水の強さの画像。DPRは,GMIに比べると観測幅が1/3程度しかないが,GMIが降水を平面的に観測するのに対して,雲の中の降水の構造を三次元で観測できる「雨雲スキャンレーダ」であるという利点がある。DPRとGMIの二つのミッション測器のそれぞれの長所を組み合わせることで,GPM主衛星では,熱帯から高緯度までの範囲のさまざまな降水システムの構造を観測することができるようになった。

初期チェックアウトに引き続き,今後ミッション機器の校正,観測データの精度確認を行なった後,GPM主衛星が観測するデータは,打上げ約半年後から世界中の利用者へ提供される。

詳しくはJAXAプレスリリースへ。