2013年度の光産業国内生産額・全出荷額はプラス成長の見込み

2012年度分野別全出荷額実績

■情報通信分野,4.0%の5,850億円
光伝送機器・装置はMUXを含む幹線系とメトロ系,CATVなどの映像伝送系が増加したものの,加入者系と光インターフェイスが装着できるルータ/スイッチ,光ファイバ増幅器,ATM/電力検針用装置その他が減少し,全体で-7.7%と減少した。発光素子と受光素子は,それぞれ28.5%と31.6%と増加し,光ファイバケーブルは中国などの新興国を中心に通信インフラ投資が活発だったことから24.7%と増加した。

■情報記録分野,-22.3%の1兆3,154億円
光ディスク装置は,再生専用装置が東南アジア・インドなどで低価格の車載CDが伸び,DVDも車載・ゲーム用などの需要が増加したことにより,全体で1.6%増加した。ディスク媒体はCDが小型携帯音楽製品・小型USBメモリ・大容量ハードディスクへの移行で市場が縮小傾向にあるほか,追記型・書換型DVDについてもBDへの代替需要が進んでいるため,それぞれ-19.9%,-23.1%と減少した。追記型・書換型BDは業務用ディスクや2層/3層ディスクの需要が増加し,28.2%と増加したものの,全体では-10.1%と減少した。

■入出力分野,-6.4%の4兆684億円
光学式プリンタと光学式MFPはそれぞれ-3.2%,-7.0%と減少。デジタルカメラは一眼レフタイプが海外での需要が伸び,3.6%の増加を示したものの,コンパクトタイプはスマートフォン市場に圧され,-10.5%と減少したことで,全体でも-3.7%と減少した。コンパクトタイプ市場の傾向はデジタルビデオカメラにも見られ,-15.2%と減少。カメラ付き携帯電話もスマートフォン市場の拡大に圧され,-11.5%と減少した。

■ディスプレイ・固体照明分野,-14.4%の6兆2,074億円
FPD装置はテレビの需要減少が影響し,-24.4%と減少。プロジェクションディスプレイ装置も海外向けが振るわずに-24.4%と減少した。一方でデジタルサイネージなどの需要が増加し,このディスプレイ装置は6.9%増加した。しかし,全体では-24.4%となった。ディスプレイパネルも苦戦を強いられ,-6.3%と減少した。固体照明器具・装置は,LED照明器具・装置が95.7%と大幅に増加したものの,LEDランプは価格低下により,-7.2%と減少。全体では54.2%の増加を示した。発光ダイオードはバックライト向けや照明向けが好調に推移し,26.6%増となった。

■太陽光発電分野,57.8%の2兆2,456億円
太陽光発電システム,太陽電池セル・モジュールともに住宅用やメガソーラが牽引し,それぞれ58.0%,57.5%と増加した。

■レーザ加工分野,-16.6%の3,582億円
炭酸ガスレーザはプリント基板穴あけ加工機の設備投資が鈍化し,-28.2%と減少。固体レーザは液晶・半導体製造向け装置の需要が振るわず,-2.4%と減少。エキシマレーザも半導体産業の低迷を受け,-31.7%と減少した。一方で,ファイバレーザと半導体レーザは好調で,50.4%と伸長した。しかし,全体では-16.6%の減少となった。

■センシング・計測分野,-2.5%の2,132億円
光センシング機器は車載向けが成長を続けているものの,東日本大震災後に需要が伸びた人体センサ市場が縮小し,全体で-2.2%と減少。光測定器は光情報通信分野が低調だったため,-7.2%と減少した。