産総研,乱反射を防いでセラミックスの壊れにくさを簡便で高精度に測定する手法を開発

産業技術総合研究所(産総研 主任研究員の宮崎広行氏は,ファインセラミックスの破壊じん(靱)性を簡便かつ高精度に測定する手法を開発した。

1

圧子圧入(IF)法による破壊じん性試験の際,圧子圧入後のセラミックス試験片表面に,市販の透明塗料をある濃度範囲に希釈した可視化溶液を塗布すると,乱反射が低減する。さらに亀裂と離れた部分とは異なる光の干渉色を示し,亀裂先端が着色して見えるため,より一層鮮明に亀裂を観測できる。

圧子圧入法による破壊じん性試験では,ダイヤモンド圧子の圧入により生成した亀裂の長さを測定するが,今回の技術は,セラミックス表面に生成した亀裂先端の視認性を改善することで,破壊じん性の測定を簡便で高精度にするというもの。

これによって亀裂先端の視認性が著しく改善され,亀裂長さの読み取り誤差を低減できるようになった。圧子圧入による破壊じん性試験では,亀裂長さを基に破壊じん性を算出するため,今回の手法によりセラミックスの破壊じん性を高精度に再現性よく測定できる。このような信頼性の高い測定技術により,高性能小型ファインセラミックス製品の定量的な特性評価を可能とし,国際市場における日本のシェア拡大への貢献が期待される。

詳しくはこちら。